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お昼前11時30分。鹿屋市役所に1台の車が止まった。車内から次々に運び出されるのは、形も大きさも様々なお弁当。その数なんと132個。市役所職員がお昼ご飯として食べるものだ。
新型コロナウイルスで苦境に立つ飲食店をお弁当で支援しようというプロジェクト。その名も【かのやお弁当クラブ】 地方公務員である市役所職員がなぜ、この様な取り組みを行ったのか、取材した。
「4月下旬、仲間内の4人で市役所でも何かできないかな、と話したのがきっかけでした」そう話すのは、鹿屋市役所地域活力推進課で鹿屋移住サポートを担当する鳥越 賢二(とりごえ けんじ)さん。同僚の木之下 哉子(きのした かなこ)さんとそのきっかけを教えてくれた。
「外出自粛で、外食や夜飲み会に出ることが難しくなって、飲食店やホテルもとても厳しい状況だという声を聞くようになった。そこで、何ができるかと考えた時に、夜外には出られないから、お弁当だ!と思って」
お弁当に目を付けた鳥越さん達。そこから、活動に賛同してくれる職員を募る。その際にも気を付けたことがあるそうだ。
「自宅からお弁当を持ってきている職員を対象にしました。元々、外に食べに行ったり、どこかでお弁当を注文していた職員まで対象にしてしまうと、奪い合いになってしまう。元々お金を落としていた職員には継続してもらって、そうじゃなかった職員で新しく経済を回したいと思って」
市役所職員という立場。業務外に仕組みを作るのは思った以上に大変だったそうだ。
「食品衛生法の問題だったり、お店のピックアップだったり、お金のやり取りをどうするのが良いのか、など想像以上に考えることが多かった」
そこで鳥越さんと木之下さんは、一人の女性に協力を仰いだ。
―テイクアウトで家族の「和」と地域の「輪」をひろげよう。-【わがやで外食気分(おおすみ)】4月10日に作成されたFacebookグループのカバー写真に記載されているメッセージだ。現在約450名がテイクアウトの情報を自由に意見交換する。
このページを立ち上げたのが、隈崎 和代(くまさき かずよ)さん。普段は鹿屋市内の認定こども園で保育教諭として働く傍ら、大隅の食や人の魅力を集めたイベント【おおすみハナマルシェ】も主催している。
北田の城山公園で当時を振り返る
「イベントを通して関わることの多い飲食店を、明るいイメージで支えることができたらと思って。純粋に食を楽しんで、その輪が広がっていけばいいな、という気持ち」と、Facebookページを立ち上げた当時を振り返る。その想いは市役所の木之下さんから話をもらった時も、変わらなかった。
「二つ返事で『やった方がいいよ!』と言いました。市役所の方達が、何かしたいと動いてくれること、応援したいという気持ちが嬉しかった」そう笑顔で話す隈崎さん。Facebookページを通して、かのやお弁当クラブの趣旨を説明し、参加店舗を募った。「平等性保つのに、イベントで申し込みをしてもらう際に使っていたフォームが役立ちました。こちらから一方的に声掛けするのではなく、参加したい店舗を募るという形が取れて、程よい数の店舗が参加をしてくれたので」
鹿屋の魅力は人だと話す隈崎さん
官民連携で始まったかのやお弁当クラブ。実際、利用した職員や導入店舗はどのような想いを持ったのだろうか
次回は、かのやお弁当クラブを利用された職員のみなさんと店舗のみなさんにお話を伺います。
かのやお弁当クラブ②〜かのやお弁当クラブを通して感じたこと〜